保護者として知っておきたい学校ウラ事情を掲載

学級崩壊のクラスが増えている理由

授業中に教室内を走り回る子や席についていない子がいるといった学級崩壊のクラスが増えているという話を聞くかと思います。このウラ事情を説明したいと思います。

 

先生の指導力不足が根本原因ではない

授業が成り立たないのは先生の指導力不足と考えがちですが、そうとも限りません。もちろん、指導力が足りない(欠如している)先生もいますが、それはいつの時代も同じこと。

 

指導力不足の先生が増えたというようなデータも根拠もありません。

 

保護者の感覚としてそう感じる人もいるかもしれませんが、昔と厳密に比較しているわけではないと思います。ずっと小学生の保護者であり続ける人なんていないですよね。

 

学級崩壊のクラスが増えているには別の理由があります。

 

通級指導の子が7倍以上に

小学校には通級指導というものがあります。これは発達障害などで比較的軽度の児童が通常学級に在籍しながら、必要に応じて別室で授業を受ける制度です。

 

必要に応じてなので、通常学級で授業を受けることもあります。
この通級指導を受けている子が20年あまりで7倍超となりました。

 

平成5年度段階では、通級指導を受けている小学生は全国で11,963人でしたが、平成28年度には87,928人になっています(文部科学省によるデータ)。

 

小学生全体の数は減り続けているのに7倍以上にも増えています。

 

発達障害の子が増えているかどうかは議論やデータが分かれるようですが、通常学級に軽度の子も含めてそうした子が増えているのは間違いないようです。

 

かつては、特別支援学校や特別支援学級に通っていた子が通常学級にも通うようになっているのです。これは通常学級に通うことで症状が改善されることがあることなどが一因です。

 

一人の児童にかけられる時間は限られる

軽度とはいえ発達障害などを持つ児童を一人の先生で指導するには限界があります。クラスのほかの児童のことも考えなければならないからです。

 

学校によっては担任の先生だけでなく補佐役の先生がつくこともありますが、毎時間というわけにはいかないのが現状です。

 

となると、担任の先生にすれば、授業を進めるために、ある程度は問題行動があっても放っておかざるを得ないのです。先生が注意して発達障害が治るわけではないからです。

 

その結果、学級崩壊のような状態になってしまうというわけです。
これを先生の指導力不足というのには無理があります。

 

こんな事情があるということを知っておいてください。

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